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入試ミスは18年間で507件

今回は「入試ミス」のお話です。

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 2009.9.7追記
 本ブログ中の「影響が大きい合否判定ミス」部分について。
 Y大学、T大学等の大学名。 (以下、文部科学省サイトより)
 →山形大学等国立5大学における入試ミスについて(賠償の基本方針)
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出版社や予備校等のチェックで、入試ミスが4月以降発覚するケースが少なからずあります。
で、採点をし直すわけですが、追加合格が出たりすると大学はかなりの批判を浴びます。
(一番の被害者は追加合格の人たち)


今回は入試ミスに関して。 まずは実態から。


国大協サービス」サイトより。


入試ミス・事務ミス (国立大学リスクマネジメント情報 2009(平成21)年3月号より)
  ↑PDFです。


特集として取り上げています。
ミスの紹介だけでなく、入試のミスを「実施ミス・事務ミス」「出題ミス」「合否判定ミス」に分類、整理したり、リスク管理にまで言及しています。結構ためになります。


ということで、上記PDFより抜粋。


入試ミスはどのくらい発生している?


過去にも多くの入試に関連するミスが発生しています。
1990年1月1日から2007年12月31日までの朝日新聞記事を「入試」と「ミス」で検索し重複を整理し分析した研究によると、18年間で507件の入試ミスが報道されているとされています。平均すると年間28件です。
同研究では507件を事象・内容により3つの類型に分類しており、それぞれの件数は以下のとおりとされています。
1.出題関連ミス(346件)
正答不能、誤字・脱字、範囲逸脱、リスニングテープ編集ミス、冊子表示ミス、解答用紙ミス等
2.試験実施・合格発表手続きミス(43件)
用紙配布ミス、用紙回収ミス、試験時間に関するミス、指示確認手続きミス、面接試験に関するミス、発表手続きミス等
3.合否判定ミス(118件)
出題ミスが原因、採点ミスが原因、事務手続きミス、コンピュータの合否判定プログラム設定ミス



影響が大きい合否判定ミス


平成13年、Y大学工学部で個人情報の開示を受けた受験生からの指摘でプログラムのミスが発見され5年間遡って428名を追加合格者としなければならないことが明らかになりました。文部省(当時)では、このような事態を受け、緊急の総点検を各大学に依頼したところ、他の国立大学4校においても合否判定ミスによる要追加合格者の存在が確認され、正規に当該大学に入学していれば負担する必要の無かった他大学の入学金や授業料等の追加的経費及び慰謝料を賠償することとなりました。
◆Y大学工学部(H9〜H13)(5年間の追加合格者428名)
大学入試センター試験の国語(現代文)の得点を2倍するところ、コンピュータ・プログラムに反映されず。個人成績を開示した受験生の指摘で発覚。
◆T大学J学部(H9〜H10)(2年間の追加合格者16名)
大学入試センター試験の数学(数学?(数学?)と数学?(数学?)のうち)で得点が高い方を採用することにしたが、数学?しか採点しないコンピュータ・プログラムになっていたことが、文部科学省の再点検指示により発覚。
◆K大学R学部(H9〜H10)(2年間の追加合格者6名)
大学入試センター試験の理科で、物理と化学の得点を合算するところを、得点の高い科目を2倍にするコンピュータ・プログラムになっていたことが、文部科学省の再点検指示によりミスが発覚。
◆S大学K学部(H13)(追加合格となった者の入学希望6名)
理科(生物)の設問の中に一部誤植があり、正解が導けなくなったことが、出版社の指摘により発覚し、「生物」選択者全員に加点した。
◆T大学I学部(H13)(追加合格者5名)
「理科・化学」の問題のうち、「化学」の問題で一部出題に不適切なものがあり、正解を導くのが困難になったことが、出版社からの指摘により発覚。


合否判定プログラムのミスは、出題ミスに比べ顕在化しにくいため、ミスが長期間放置されることとなり、影響を受ける受験生が多数に及ぶことがあり得ます。
学生や社会からの信頼も失われ、大学の評価の面からもマイナスとなり、その影響は非常に大きなものとなります。


で、「学内で作成するのは限界!」ということで、入試問題作成を外注しているところもあり。

四国新聞社サイト」より。

screenshot
抜粋。
入試問題の作成を企業や予備校などに外注している私立大学が全国で71校あり、うち18校はすべての教科・科目の問題を外注していたことが5日、文部科学省の調査で分かった。
外注していた私立大71校のうち、企業に外注していたのが62校、学校法人の予備校などその他の外部機関が11校(一部重複)。教科別では、最も多かったのが国語の49校で、数学と外国語が各41校、理科31校、地理・歴史29校、公民15校の順だった。



科目別で国語が一番多いのは何か理由があるのだろうか。


そして、予備校の請負の実態について。 「asahi.com」より。

screenshot
抜粋。
文部科学省による全大学調査で、私立大の12%にあたる71校が入試問題作りを外注し、自らは全く作問しない「丸投げ」も18校あることがわかった。文科省は、事実上外注の中止を求める通知を出したが、関係者には「外注はなくならない」との声も。大学全入時代の学生確保策として入試の多様化が進み、現場では作問の負担が増す一方だけに、「解」を見つけるのは容易ではなさそうだ。



ということで、3大予備校について記されています。以下に紹介。


受注を最初に表明したのは河合塾名古屋市)で、00年に作問事業を始めた。「高校の学習範囲を逸脱するなど悪問が目立つようになったので、一石を投じたかった」という。

 毎年数十校分を請け負っていたが、05年秋、突然中止を宣言した。「(予備校で授業をする)講師が作問することもある。問題が起きて受験生を混乱させる前にやめた」


 駿台予備学校(東京)は一切請け負わない。系列の高校や大学を持ち、受験生に疑念を持たせかねないと考えての対応だ。


 一方、代々木ゼミナール(東京)は、現在も「二けた」の大学の作問を請け負う。依頼は増える傾向にあり、手が回らないため断るケースも多い。入試情報センターの坂口幸世本部長は「講師と作題者を完全に分け、どの大学の分なのかも秘密。最大限注意を払っている」と強調する。


河合塾の突然の中止。外注していた大学はあせったでしょうね。


と、これまで紹介したサイト上で、「過去問の共有」 が話題に出ています。
多分、以下のサイトのことです。

screenshot
抜粋。
これまでに受験の場で使用された入試問題は,膨大な数になります。その中には,数々の良問が蓄積されています。これらの入試問題は,それぞれの大学に所属するものですが,同時に,大学コミュニティの共有財産としての側面を持っております。このような考えに立ったとき,それぞれの大学の入試過去問題をお互いの共有財産として活用しようという本宣言の基本的認識に至ります。



平成21年8月現在、参加を表明している大学は以下の通り。
皆さんの大学は宣言されてますでしょうか。




一流の大学の場合、その大学の入試直後に予備校が回答速報なんてやってますよね。
これなら、そこでチェックされる訳ですから4月以降のミス発覚なんてあまり無いのかなと。


直後に”“無償で”チェックしてもらえるなんて、羨ましい限り。一流の特権だ。



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